飛行時間日本最長のパイロット 尾張旭(愛知)の植野さん引退
2008年3月4日 中日新聞
日本の航空パイロットとして最長飛行時間記録を持つエアーセントラル(愛知県常滑市)の機長植野広園(ひろぞの)さん(64)=同県尾張旭市=が、4日の中部-仙台間のフライトを最後に同社を退社する。飛行時間は2万7641時間になる。「生涯現役が私の目標。操縦教官の仕事を今後も続けて、3万時間を飛べたらうれしい」と、大空にさらなる夢を描く。
植野さんは奈良県出身。2006年7月にそれまでの記録だった2万6797時間という最長飛行時間を抜き、自己記録を更新してきた。
植野さんがパイロットを志したのは、大阪の高校に通っているころ、淀川上空に浮かぶグライダーにあこがれて。1964年に養成機関「日本飛行連盟」に入り、同年10月に初飛行した。「教官はすべて『技術は盗め』という方針だった。教官の背中を見て覚えた技術、心構えがあるから、今の私がある」と振り返る。
パイロットの派遣、養成会社などを経て85年、中日本航空に入社。水産庁による密漁船調査など小型機によるさまざまな仕事を請け負う一方で、地方都市を結ぶ定期就航(コミューター)路線の運航を経営陣に進言。旅客機の選定に携わるなど中日本エアラインサービス(エアーセントラルの前身)の設立に力を尽くした。
「お客さんの1分、1秒を大切にしようと社員一丸となって、定時運航に努めてきた」と胸を張る植野さん。99年に同僚から過去の記録を教えられ「植野キャプテンなら抜ける」と励まされたといい、「いい仲間に恵まれた」と目を細める。
今後は、後進の育成の傍ら、かつての教え子とのフライトを楽しむ予定といい、「まだまだ飛び続けます」と満面の笑みを浮かべた。
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